【洋書レビュー】RICH DAD POOR DAD(Robert T. Kiyosaki)|ビジネス書への最初の一歩に最適な一冊
はじめに
これまで Louis Sachar の児童文学を中心に英語多読を進めてきましたが、今回は少し趣向を変えてビジネス書に挑戦しました。選んだのは、世界的ベストセラーの『Rich Dad Poor Dad』です。
実はこの本は、社会人になりたての頃に一度日本語で読んだことがあります。社会人になりたての頃に、知人から紹介されて初めてこの本を手に取りました。当時の私は勧められるままにこの本を読みましたが、実はこの本はネットワークビジネスの界隈でよく推奨されていた一冊だったということを後から知ることになりました(笑)。ただその文脈はさておき、本の内容自体は「お金の考え方を学ぶ」という点で素晴らしく、とても勉強になりました。
その後、英語多読を進める中で「いつかビジネス書にも挑戦したい」と考えていた私は、平易で読みやすいとされる本書を改めて英語で手に取ることにしました。過去に日本語で読んでいたこともあり、英語で読むのにちょうど良い題材だと考えたからです。
どんな話か?
著者 Robert T. Kiyosaki は、自分の人生に「2人の父親」がいたと語ります。
- 実の父(Poor Dad):教育熱心で安定志向。しかし経済的には苦労が多い。
- 友人の父(Rich Dad):学歴は高くないが、投資やビジネスで資産を築いていく。
この二人を対比させながら、「お金に働かせる」という考え方や、資産と負債の違いといった、お金に関する基本的な思考法を学んでいきます。物語調のエピソードを通じて、「お金のために働くのか、それともお金を自分のために働かせるのか」という発想の違いを示しているのが特徴です。
英語のレベルと読みやすさ
英語の多読では「自分が理解できるレベルの本を選ぶ」ことが基本です。私は多読を始めた初期には児童文学を中心に読んでいましたが、子ども向けの本ばかりだと少し飽きてしまうこともありました。そこで「いつかはビジネス書にも挑戦してみたい」と思っていました。
『Rich Dad Poor Dad』は、ビジネス書の中でも比較的平易な英語で書かれていると言われています。私にとっても、過去に日本語版を読んだことがあったので、ストーリーを追いやすく、挑戦するにはちょうど良い一冊でした。
実際に読んでみると、文章はとても理解しやすく感じました。特にこの本は各章の最初に要約がついており、重要なポイントも繰り返し説明されるため、よほど読み飛ばさない限りは理解についていけます。単語もかなり平易で、辞書を頻繁に引く必要はほとんどありませんでした。
また、児童文学では慣れない会話表現や比喩が出てきて理解に苦労することもありましたが、この本は会話が少なく説明中心なので、むしろ分かりやすいと感じました。
実際に読んでみた感想
『Rich Dad Poor Dad』の魅力は、難しい理論ではなく、物語仕立てで「お金に対する考え方の違い」を示している点にあります。実の父と友人の父という二人のモデルを通じて、「どちらが正しいか」ではなく、「考え方の違いが人生にどう影響するか」をわかりやすく描いているのが特徴です。
特に印象的だったのは、「資産と負債の違い」に関する考え方です。著者は、資産とはお金を生み出すもの、負債とはお金を奪っていくものだと明確に定義しています。多くの人が「資産」と思い込んでいる住宅や車も、それが収入を生まずに維持費やローンでお金を流出させるのであれば「負債」であると指摘します。この資産の定義を改めて考え直すことが、経済的自由を得る第一歩になるという考え方はとても刺激的で、読んでいて強く心に残りました。
また、著者が繰り返し強調する「学校教育ではお金については教えてくれない」という視点も印象的です。学歴や資格があっても経済的に苦労する人がいる一方で、金融リテラシーを身につけた人は学歴がなくても豊かになれる。この指摘は、現代社会においてもなお有効であり、自分自身のキャリアや資産形成を考えるうえで考えさせられる部分が多くありました。
総じて、本書は単なる「お金儲けのハウツー本」ではなく、お金に関する根本的な捉え方をシンプルに、かつ実践的に示している本だと感じました。特に「子ども向けの本を読むことに抵抗があるけれど、多読をしたい」という方には、この本は非常におすすめです。英語はシンプルですが、題材は大人向けで内容も充実しているので、学習モチベーションを保ちやすいと感じました。
書籍情報(参考)
タイトル:RICH DAD POOR DAD
著者:Robert T. Kiyosaki
発売年:1997年
ページ数:約336ページ(ペーパーバック版)
*単語数:70,239 words
*How Long to Readにて確認